熱帯医学・渡航医学・感染症 のニュース&トピックス
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抗寄生虫薬による消化管蠕虫の根絶の実現性は?
レプトスピラ症

World Health Assembly(WHA)の呼びかけで小児を対象として、2001年から消化管蠕虫(特にSoil-transmitted helminthesとSchistosomiasis)に対して抗寄生虫薬、Albendazole, Mebendazoleを1回使用し、駆虫する取り組みを続けている。WHOの報告によると世界中の小児のうち59%が駆虫薬の対象となる。AlbendazoleとMebendazoleは Ascaris(回虫)に対しては効果的だが、Hookworm (鉤虫), Trichuris(鞭虫)に対しては効果が弱い。
代替薬としてTribendimidineやIvermectinを含んだ併用療法での試みもあり一定の効果をあげているが、劇的な効果はなく新薬の登場も期待される。

・Lancet Infect Dis. 2017 Aug 29. pii:
 S1473-3099(17)30484-X
・Lancet Infect Dis 2017;17: 1162–71

## 消化管蠕虫は衛生状態、食事、水、トイレ、靴、肥料も問題がメインで感染が持続します。いわば途上国の生活習慣病です。内服薬は一定の効果を示しますが、生活習慣、栄養状態の改善がなければ根絶をすることはできません。地域へのアプローチは丁寧に時間がかかるもので、1回の薬で劇的な効果を期待するのは虫が良いように感じます。

アフガニスタンで経口ポリオワクチンが広まらない背景

ポリオの根絶キャンペーンは世界中、多くの地域で効果をあげており、根絶まで3国を残すのみとなった。アフガニスタンにおいても経口のポリオワクチン(OPV)の普及に努めているが根絶に至っていない。OPVは担当者が家に届け、両親や子供の保護者が子供に内服させる仕組みになっている。子供の保護者1980人を対象とした調査では、ポリオについての知識の少なさ、またポリオワクチンについての悪いうわさがポリオ接種の障害となっていることが分かった。ポリオワクチンに関するうわさでは、ポリオワクチンによりポリオに感染する、ハラルでない、不妊になる。HIVになることがある、というものがあった。

Lancet Infect Dis 2017;17: 1172–79

##ワクチンのネガティブな印象は日本でも接種率の低さにつながっており、共通した問題と考えます。イスラム圏ではハラルの問題もワクチンと関係しており、ワクチンのキャンペーンでは疾患の教育、正しい知識の普及を共に行う必要性を感じました。供給するワクチンの質、保管の管理、偽薬の根絶も大切だと思います。

GMS会員】eラーニング
マヒドン大学熱帯医学短期研修の講義を中心に、熱帯医学、渡航医学、感染症に関する動画や、マラリアや消化管寄生虫クイズなど、わかりやすい教材で効率的に学習できます!以下、eラーニングの一部です。
※GMSeラーニングは、会員限定のコンテンツです。

1)2017年マヒドン大学熱帯医学短期研修講義
 ①Overview of Major Intestinal Protozoa infection
  Prof. Yaowalark
 ②渡航医学講義 Dr. Wacharapong
 ③Case discussion Melioidosis
  Dr. Wirongrong and Dr. Hadano.......他
2)消化管寄生虫を用いた地域診断
3)渡航前のワクチン接種東南アジア編...他

サンプル映像は、2017年マヒドン大学熱帯医学短期研修
「消化管寄生虫症概論」Prof.Yaowalarkです。

GMSe-ラーニングでは、マラリアや消化管寄生虫など、顕微鏡での特徴をクイズ形式で解説いたします。典型例を分かりやすく原虫別に出題していきます。これらの画像は、「マヒドン大学熱帯医学部出版(英語)の寄生虫アトラス」から抜粋したものと、実際の顕微鏡の画像を混在して入れています。実臨床では教科書画像のように分かりやすい画像とは限らないので、注意が必要です。
※GMS会員登録で、マヒドン大学熱帯医学部出版(英語)の寄生虫アトラス(Atlas of Medical Parasitology)が500円引になります。

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マヒドン大学は熱帯医学領域ではアジアのリーダーとして教育に力を入れています。マヒドン大学熱帯医学短期研修は、講義、ワークショップは大学の第一線の臨床医、研究者が担当し、実際のベッドサイドラウンド、顕微鏡を使った消化管寄生虫、マラリア診断など実践的な研修です。
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医療分野や医療分野の専門家は、世界の重要な寄生虫をカバーしています。原生動物、線虫、爬虫類、爬虫類、節足動物、節足動物の各データベースには、形態学、生活環、地理的分布、症状、予防などの情報が含まれています。
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